3回目 テーマ@:乾物野菜の戻し方
乾物は「戻すのが面倒なので苦手」という方もいるかもしれませんが、さまざまな利点があり、段取りを考えて戻せば、とても使いやすい食材です。

1.乾燥させるので栄養素が濃縮されている。
特に、現代人に不足しがちな食物繊維やミネラルを多く含む。
2.長期保存ができ、必要な分だけ使えるので経済的。
このように、乾物は健康増進とおいしい食事づくりの強い見方です!
代表的な乾物野菜の戻し方をご紹介します。ぜひ、毎日の食卓に取り入れてみてください。
【食物繊維(便秘を予防する)、鉄(鉄欠乏性貧血を予防する)が豊富】
さっと水洗いして,10倍の水に15分程度浸け,よく絞ってから使う。
【食物繊維、カリウム(余分な塩分を排出する)が豊富】
さっと水洗いしてたっぷりの水につける。
戻し時間:わかめ5〜10分,こんぶ5〜15分,ひじき20〜30分程度。
※カットわかめなど、水戻しが必要ないものもあります。
【食物繊維、鉄、カリウムが豊富】
さっと水洗いしてたっぷりの水につける。
軸を下にして,ヒタヒタの水に20分程度(厚みのあるものは2時間程度)浸ける。
急ぐ場合はぬるま湯に砂糖を少々加えたもので戻す。
※椎茸をつけておいた汁(戻し汁)には、よいダシがでているので煮物やスープに利用しましょう。
【食物繊維、鉄、カルシウム(骨を丈夫にする)が豊富】
水洗いして、豆の重さの4倍の水に1晩つける。
※小豆(あずき)の場合は水で戻す必要はなく、乾燥したものを直接ゆでます。
【食物繊維、鉄、カルシウムが豊富】
60℃程度のお湯に20分浸ける。両手で押して水気を絞る。
※戻さずに直接使うタイプのものもあります。
食物繊維、鉄、カリウム、カルシウムは現在の食生活では不足しがちな栄養素です。
乾物の戻し率 戻すことで乾物が何倍になるかを考えて料理しましょう。
切り干し大根 |
4.5倍 |
干し椎茸 |
5〜5.5倍 |
こんぶ |
2.5〜3倍 |
きくらげ |
7倍 |
塩蔵わかめ |
2倍 |
大豆 |
2倍 |
カットわかめ |
10倍 |
凍り豆腐 |
6倍 |
ひじき |
4〜5倍 |
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テーマA:野菜のアクについて
「アク」とは・・・
味覚に不快な作用を与える成分(えぐ味,渋味,苦味など)を言います。また、好ましくない色、においなども広義の「あく」に含まれます。
「アク抜き」とは・・・
これらの不快な味や色,匂いを除いたり,抑えたりする操作のことです。野菜の種類によって,その方法は異なります。
アク抜きの方法を知れば、野菜をよりおいしく食べることができます。

1%の塩(水500mlに対して塩小さじ1)を加えた沸騰湯でゆでる。
ほうれん草・春菊など、あくの多い野菜の場合
【ほうれん草・春菊のアク成分:主に「シュウ酸」という有機酸】
(1)お湯はたっぷり(材料の5倍以上)。
野菜を入れたときにお湯の温度を下げないため。温度が下がると野菜の酵素やアク成分である「シュウ酸」の働きで、歯ざわりや色が悪くなってしまう。
(2)鍋にふたはしない。
「シュウ酸」を湯気とともに空中へ揮発させるため。
(3)ゆで上がったら冷水(または流水)にさらす。
「シュウ酸」を水中に溶け出させるため。それと、余熱で野菜の色が変わるのを防ぐため。
※生食用のものは,品種改良により「シュウ酸」が少なくなっているため,生で食べることができます。
皮をむいたり,切ったあとは水につける。

切った後,3〜4%の酢水(水500mlに対して酢大さじ1)に10分程度浸ける。
※ごぼうは、昔のものに比べアクが少ないため、長く浸けるとうま味が抜けるので注意しましょう。色を気にしない場合は酢水ではなく水につけてもよいです。

米ぬかを加えてゆでる。(水10リットルに対して米ぬか1カップ(または米のとぎ汁でゆでる))
※たけのこのアクは,収穫から時間がたつにつれて増えていくので、掘りたての新鮮なものはアク抜きの必要はありません。
重曹(水500mlに対して重曹小さじ2)でゆでる。
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